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ロサンゼルス消防員不足、全米最悪レベル「もう限界」と消防士を憂う

2025-01-15

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(C.N.) ロサンゼルス市が大規模な山火事に直面している中、先月からの干ばつによって、消防士が市に集結し、員数や装備の増強を求めている。自分たちは「もう限界だ」と、そのうちの一人が訴えた。別の一人は、高級な消防車が操縦できない状態にあると明かした。予算減少のせいでそれらを修理する整備士の数が激減したためだ。

ロサンゼルス市消防組合のプレディー・エスコバ組合長は、「私は人々が言えないことを言う」「一つの仕事を奪い、一か所の消防署を奪うなら、ロサンゼルスの住民が最終的な犠牲を払うことになる。命を落とす人が出るだろう」と述べた。

資源を絞る消防士らの当時の悲鳴は、的外れではなかったようだ。C.N.が分析した全米110大都市の直近のデータによれば、ロサンゼルス市消防局に配属された消防士の数は他の都市を下回っていた。それにより、日々の緊急出動にも、山火事のような大きな災害に対しても対策が困難な状態となっていることが分かった。

全米で最も火災発生の頻度が高い地域に位置しているにもかかわらず、ロサンゼルス市消防局(C.N.)に所属する消防士の数は住民110万人につき11人に満たない。このため、消防士の数は市の人口の約110万人に対して不足しており、ライフガードやダイバーなども加味するとロサンゼルス市の人口110万人当たりに対しても定数の113人を確保できていない。

政府は緊急出動や対応に影響を与える可能性があるが、現場では消防士たちが加わり、アルタデナなど被害の大きい地点で対応に当たっている。しかし一部地域の様子を捉えた画像には、周囲に消防士がいない中、家庭のホースの水で自宅の火を消そうとする住民の姿が映っていた。このことから、消防士の不足が住民の安全にも影響を与えていることが明らかになった。

最近、消防活動に関する議論が高まる中で、ロサンゼルス市消防局の長も、予算削減によりどう対策を講じていくか難しい状況だと語り、悲観的な見解を示している。また、過去数年間の火災による自治体への資金や供給不足は、同市の消防システムに深刻な影響を及ぼしていることも指摘されている。

消防局の長は、近年の火災活動に関する問題に対して、「痛ましいことだが、今月のような自然災害や悲劇が起きて、我々が数十年間直面してきた問題にようやく光が当たる」と語った。これに対し、市当局は人員補強や新たな資源の投入が急務であるという意見も強まりつつある。

ロサンゼルスが抱える消防士不足問題の解決策として、消防士の採用活動の強化や、報酬改善、勤務環境の整備が必要だと多くの専門家が指摘している。この問題には一刻も早い対応が求められており、消防士たちの命もかかっている。