共通テスト平均点、「情報I」73点 今後利用拡大か - 日本経済新聞

2025-01-22

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大学入試センターは22日、18日から19日に実施された大学入試共通テストの平均点の中間集計を発表した。初めて出題された「情報I」(100点満点)は73.10点だった。高校の新たな学習指導要領に対応した最初のテストだったが、全体として予想校関係者は「難易度は標準的だった」と見ている。

センターによると、問題の難易度の差によって同一教科内で20点以上の平均点の差が生じる場合、原則として得点調整を実施する。従来の古い課程と新しい課程が並立する今回も、旧課程と新課程の差も考慮され、現在では60点未満だった。得点調整の有無は24日に公表される。

河合塾教育研究部の近藤治敏氏は「科目の読み取りや思考力を問うといったこれまでの共通テストの形式が一層鮮明になった。それでも難しくはなかったが、標準的な難易度の問題が目立った」と評価した。

情報Iでは部活動の充実をプログラミングを活用して組織している問題や、観光客が公開されている旅行者数などのデータを分析する問題などが出題された。

河合塾情報科の新一講師は「知識を問う問題は少なく、文章やデータを考察して思考力を問う問題が大半だった」と分析する。

初年度のため、情報の配点割合が少なく、共通テスト利用型入試で「必須」とする国立大学はどれほど增えるかが注目される。情報学科の講師は「情報活用能力を測る良い問題で平均点も悪くなかったため、今後配点を上げる国立大学や入試で活用する大学が増えるのでは」と推測した。

実際の文書を初めて取り上げ、現代文の比重が大きくなった「国語」(200点満点)は126.13点、問題数が増えて試験時間が10分延びた「数学I、B、C」は56.69点だった。

共通テストは受験者数が続伸。中間集計は採点が終了した受験者数42万人の得点をもとに算出された。最終的な平均点は2月6日に公表される。

体調不良などで1月25、26日の追試験の対象となったのは992人だった。受験生にとっての影響が懸念されており、今後の進路選択にどのような影響を及ぼすかが注目される。今後、受験生はこの結果を元に志望校の選定や進路に関する重要な決断を下さなければならない。