がんの死亡を回避するには「予防」と「治療」のどちらが重要か|@DIME アットダイム
2024-12-23
著者: 海斗
がんの死亡を回避するためには、予防が治療を上回る
「1オンスの予防は1ポンドの治療に値する」というのは、アメリカの著名な健康専門家フランクリン・フラングリンの有名な言葉ですが、これに関しては真実があると言えるでしょう。米国国立がん研究所(NCI)の長官であるキャトリーナ・ゴダード博士によると、最近45年間にわたり、がんの予防とスクリーニングによって多くの死亡が回避されてきたことが明らかになりました。
ゴダード博士は、「多くの人が治療法の進歩が5種類のがんによる死亡率を低下させる主な要因だと考えているかもしれません。しかし、実際には、予防とスクリーニングが死亡率の低下に大きく寄与している」と述べています。彼女の研究は「JAMA Oncology」に2024年12月5日に発表されました。
研究データによると、1975年から2020年にかけて回避されたがんの死亡例は多く、特に子宮頸がん、大腸がん、肺がん、前立腺がんなどが関与しています。がんの予防やスクリーニングの進歩によって、594万人が死亡を回避していると推計されています。また、がんの死亡を回避した方の80%は、特にスクリーニングによるものであるとされています。
この研究では、特定のがんに対する予防策や治療法がどのように死亡率を改善したのかについても詳しく述べられています。たとえば、肺がんは禁煙キャンペーンや喫煙率の低下によって死亡率が大幅に減少しました。前立腺がんに関しては、早期発見が有効であり、スクリーニングの実施が命を救うことにつながっています。
さらに、多くの医療機関がHPVワクチンの普及に取り組んでおり、これは子宮頸がんの予防において特に重要です。HPVワクチンの接種率が上がることで、将来的にそれによるがんの発生率を著しく減少させることが期待されています。
この研究の著者であるNCIのフィリップ・キャッスル博士は、「これらの成果を踏まえて、今後も予防と治療の重要性をウィン・ウィンの関係と捉え、一層の推進が必要です。多くの人ががんの予防策を理解し、導入することで、さらに多くの命が救われるでしょう」と語っています。
これからの医療技術の進展や新たな予防策が、がんによる死亡をさらに減少させることが期待されています。