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ECB、インフレ抑制への期待感強めたとラガルド総裁 - 10月利下げ示唆

2024-09-30

著者: 海斗

欧州中央銀行(ECB)はインフレを抑制できるとの楽観的な見通しを示し、それに伴い10月の政策決定に影響を与えるとラガルド総裁が話した。

ラガルド総裁は9月30日に行われたユーロ圏議会で議員たちに発言。政策委員会内での利下げ気運が高まっていることを、これまでで最も強く示唆した。

「前年度のエネルギー価格大幅下落が前年度比で外れるため、インフレ率は今秋10-12月(第14四半期)に一時的に加速する可能性がある。ただし、最近の動向はインフレ率が再度目標に戻る方向に向かっていることを示している」と述べ、「10月の次回政策会合で、それを考慮に入れる」と明言した。

ラガルド総裁はユーロ圏経済が逆風に直面しているとも言及し、多くの国々で10年債利回りが一時2.18%に上昇していたが、先週末には2.13%に低下したと報告。

短期金融市場での緩和期待の10月の0.25ポイント利下げの確率はさらに上昇し85%になった。

この日発表されたデータには、イタリアのインフレ率も加速してしまったが、これはインフレの歴史的な急速さを抑え続けているという認識を強めている。

ラガルド総裁は「直近の92ヶ月でディスインフレは加速した」と指摘。懸念が残るサービスのインフレについても「さらに改善が見込まれる。コアインフレも低下のトレンドが続いている。この方向性が続くであろう。サービスも緩やかにですが確実に低下を始めている」と強気の姿勢を示した。

総裁の発言は、10月に発表されるユーロ圏(CPI)総合購買者数(PMI)速報値が予想より大きく下回って以降、低調な指標に対する警鐘となる可能性があり、これを受けて市場は利下げを強く期待する動きが続くとみられている。

このような中、ユーロ圏経済の変化は、特にイタリアやフランスを含む主要国での経済統計に影響を与え、投資家は引き続き警戒していく必要がある。