テクノロジー

どうなる? ITエンジニアの採用市場 「リモートワーク減れば転職する」の声も求められる就業環境とは

2024-11-01

著者: 愛子

エンジニア向けの転職サービス「Findy」を運営するファインディ(東京都品川区)は10月31日、2025年版のITエンジニアの採用市場に関する予測を発表した。国内外問わず、リモートワークからの出社回帰を進める企業が増える一方、ITエンジニアはフレキシブルな就業環境を求める傾向が高いことが明らかになった。

米Amazonは9月、原則として毎週5日出社するよう社員に対して通知を出した。この動きは業務効率向上を目的としたものだが、国内でも同様に出社回帰を進める企業が増えている。例えば、メルカリでは7月から毎週2日出社推奨を試験運用する動きがあった他、サントリーなども出社中心の業務を進めている。

このような動きに対して、ファインディの山田大輝CEOは「ソフトウェアの開発がリアルな世界と融合し始めているのが理由の一つとして考えられる」と指摘。例えば、自動運転や物流に関するビジネスでは、テクノロジーがリアルな環境を必要としているため、開発者が現場(リアル)を知らなければ進展できない。さらに、製造部門と開発部門がコミュニケーションを取り、事業を深堀りする動きも加速している。

一方で、ファインディが7月に行った調査(n=681)によると、ITエンジニアの過半数がフルリモートの勤務状況を保持している。週5日出社しているのは全体の7%であることがわかった。その一方で、現状の会社で働き続けると答えたのは全体の28.5%で、7割以上が転職を希望していると回答した。

また、現在リモートワークの頻度が減少している中で、「現状の会社で働き続ける」と答えたのは全体の28.5%であり、7割以上が転職を希望していることが明らかになった。

「(前述でデータで示した通り)年収が悪化してもQOLを維持したいというITエンジニア側の考えもある。企業にとって方向性が異なることもあり、今後それに合わせた働き方をしていくのか、ちょうど転職点に来ているのではないか」と山田CEOは述べている。

ITエンジニアの平均年収は「上がる」傾向が続いている。

ファインディでは、国内のITエンジニアの平均年収も調査した。22〜23年にかけては100万円以上の数値が上がっていたが、23〜24年にかけては昨年758.0万円となった。さらに、東京都に限ると、年収はより高く、今後の職業選択に影響しそうだ。