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北朝鮮の洪水被害で復興住居建設、金正恩氏「設計から数か月での工事は奇跡」と自画自賛

2024-12-22

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【ソウル=小浜和樹】朝鮮中央通信は12日、7月に大雨による洪水被害が出た北朝鮮北西部・平安北道(ピョンアンブクト)で12日、被災者向けの住居の竣工式が行われたと報じた。住居は数千世帯分が整備され、竣工式において金正恩氏(キム・ジョンウン)は「設計から数か月で工事を成し遂げたことは奇跡だ」と自賛した。

韓国メディアによれば、洪水の死者は1100人超とされている。正恩氏は演説で、「我々の社会主義がどんな困難も克服し、前進していることを示す象徴的な事例である」と語った。

しかし、洪水被害については「災害防止機関が乏しかったことに加え、無責任と無防備が重なって起きた人災である」とし、自己反省も行った。復興事業も「一部の非科学的な態度」によって、計画通りには進まなかったと苦言を呈した。

特に金正恩氏は、国際社会における支援の必要性を強調。日本や韓国を含めた周辺国に対して、友好的な関係の構築を呼びかけ、特に気候変動と自然災害に対する協力を提案した。

北朝鮮では、自然災害による被害が頻発しており、2030年までに復興計画を普及させる方針を表明しているが、実行に移せるかは懸念されている。合同ニュースによると、経済の困難さや国際制裁の影響が続く中、実現に向けた動きが鈍いとの指摘もある。