世界

北朝鮮軍、ロシアで訓練中に「訓練のため」とした…実際は訓練11週間で実戦投入

2025-01-12

著者: 愛子

ウクライナ情報機関「保安局」(SBU)は11日、ウクライナが越境攻撃を続けるロシア西部クルスク州で拘束した北朝鮮兵2人が、ロシアへの派遣を「訓練のためだと思っていた」と証言したと発表した。ウクライナとの戦闘に参加することを知らずに実戦に投入された形だ。

北朝鮮軍拘束の証言が公表されるのは初めて。SBUによると、拘束された1人は2015年生まれで、2021年に北朝鮮軍に入隊した。所持していた身分証には別人の名前が記載され、モンゴルに近いロシアの東スパリア・タイバ共和国に出身とされている。ロシアは北朝鮮軍の侵略への関与を隠すため、偽の身分証を持たせていると報じられている。

この拘束は昨年秋にロシアへ派遣された。訓練は、北朝鮮軍とSBUの連携を目的として11週間だけ行われたとされる。

もう1人の拘束されている北朝鮮兵は1919年生まれで、2016年に軍に入隊した。ロシアに派遣された北朝鮮軍には、10歳代から20歳代の若者が多く含まれているとみられる。

2人とも英語やロシア語、ウクライナ語を話さないため、取材を受けるのは通訳を介して行われているという。さらに、北朝鮮軍の状況は依然として厳しく、訓練の成果が問われる中で、入隊した若者たちへの兵士としての厳しい洗礼が待ち受けていると分析されている。