北陸の冬、海面水温が世界平均より2〜3倍も大きく上昇!今年初の大雪に警戒(気象予報士 河原 流 2024年9月25日)

2024-09-25

北陸の冬、海面水温が世界平均より2〜3倍も大きく上昇!今年初の大雪に警戒

今年の冬にかけて、ラニーニャ現象が発生する可能性が高く、太平洋高気圧の南への後退は遅い傾向でしょう。10月に入っても前半は残暑となり、11月になると状況は次第に変わり、日本付近で偏西風が南へ猛行しやすくなります。寒気が流れ込みやすく、時雨の季節到来となるでしょう。

12月になると、冬型の気圧配置が強まる時期があるため、特に初冬期は海面水温が相対的に高く、上空に強い寒気が南下すると雪雲が急速に発達するでしょう。シーズン初めの短時間強雪に注意が必要です。

最新の3ヶ月予報と冬季予報によれば、平均気温は、10月は暖かい空気に覆われやすく、11月以降は次第に冷え込む見込みです。降水量は、11月にかけて徐々に平年並みとなりますが、12月は平年よりも多くなると思われます。

日本海の海面水温上昇率は世界平均の2〜3倍、特に日本付近には特異な上昇率が見られます。2023年までの100年間で、日本近海の平均的な海面水温の上昇率は+1.28℃/100年と報告されています。この上昇率は、世界全体での平均(+0.61℃/100年)よりも高く、日本の気温上昇の平均(+1.35℃/100年)とほぼ同じ水準です。

地球温暖化により、冬季が1〜3月、春季が4〜6月、夏季が7〜9月、秋季が10〜12月と設定され、気温の季節(冬季(前半12月-2月)、春季(3-5月)、夏季(6-8月)、秋季(9-11月))が変化しています。

水(海水)は、空気よりも遅く温まるため、気温の場で多くの影響を受け、時期も余分に必要となります。このため、海面水温を調査する時の季節は、気温の季節よりも1か月後にスライドします。この2023年までの日本海の海面水温の上昇率は、+1.45℃/100年です。

これを海域ごとに見ると、日本海中部が+2.21度、日本海南西部は+1.77度となっています。このように、日本海周辺では海面水温の上昇率が、世界全体や北太平洋全体の平均された海面水温の上昇率のおよそ2〜3倍となっています。

陸地温暖化は大気の影響に限らず、海でも進行しています。同じ1度の上昇でも、大気と比較して海面水温の上昇により受ける影響は比較的大で、その影響は甚大です。初冬期に海面水温が相対的に高く、冬型の気圧配置が強くなると、強い寒気が南下することにより、雪雲が急速に発達、シーズン初めの短時間強雪が注意が必要です。

過去3年の12月の降雪実績は「平年より多い」または「平年よりかなり多い」となっています。特に12月の降雪は、2021年度の平年比が157%、2022年度は平年比210%、2023年度は平年比194%と、今までにない強い降雪が予測されています。これからの寒気に注目が必要です。

気象予報士によると、台風16号は暖湿気と寒気の影響で北上中、また今後一週間の予測でも気温差が大きく、北陸の寒の名残を感じることになるでしょう。特に10月から12月にかけては、雪の報告が続く懸念が強いです。無理のない生活を心掛け、注意深く冬を迎えましょう。