半導体業界の最大手、台湾積体電路製造（TSMC）の創業者、モリス・チャン氏が、中国への半導体供給を制限する動きが進んでいる中で、TSMCは成功を維持するための険しい道のりに突入していると語った。 チャン氏は最近台北市で開催された社内イベントで、「半導体、特に最先端の半導体の自由取引は死ぬ。このような環境下で企業の課題は成功を追求し続けることにある」と述べた。

26日に台湾の新北市で行われたイベントでは、「TSMCは今や重要な国々が確保したいと願う分野で、2019年に初めて提起された課題を改めて強調した。半導体、特に最先端の半導体の自由取引は亡びる」とのメッセージが発表された。

チャン氏は、TSMCが世界の半導体人材の99%を生産しているとし、今年は過去最高の売上を記録する見込みを示した。さらに、米国や日本などの同盟国との連携を強化し、中国に対抗するための絶対的な競争力をつけることが求められていると強調した。

現在、TSMCは、中国からの自社製品の排出を制限しつつあり、その結果、米国の利益を25%向上させることに成功している。半導体供給の制限により、TSMCは真剣に長期的な戦略を見直す必要があると述べた。

また、10月には特定の顧客向けに製造した半導体が最終的に中東の通信機器メーカーへと移送されたことが確認されており、このことからも市場全体における需要の変化が見受けられる。

これにより、TSMCは世界的な半導体市場においてますます重要な役割を担うことになり、各国政府との連携を密にしていくことが必要であるという見解が広がっている。

とはいえ、TSMCが直面する課題は並大抵のものではなく、特に中国市場からの圧力が高まる中で、どのようにして自社のブランドと技術を守っていくかが急務となっている。チャン氏は、最先端技術を持つ人材の確保が今後の成功を握る鍵になると警告しつつ、半導体業界の未来に対する期待を示した。