Hot Chips第4弾では、マイクロソフトのMaia 100が登場します。Maia 100はマイクロソフト初の自社製AIチップで、昨年11月に開催されたMicrosoft Ignite 2023で発表されました。

このチップは、Armベースの高性能プロセッサであるCobalt 100も発表されており、AmpereのArm CPU（おそらくAmpere Alter/Alter MAX）よりも40%高速な数値が示されましたが、これは時代の違い（Alter/Alter MAXはNeoverse N1プロセッサである）を考慮に入れると妥当な数値であると言えます。

Maia 100はマイクロソフト独自設計のAI特化型チップとして位置付けられており、構成にはコンピュート・チップレットに4つのHBM2Eを集積した構成が採用されています。

発表された内容は以下の通りで、設計はOpenAIと共同で行っており、OpenAIによる改善もあったとされています。

Maia 100は、今年からAzureへの展開を予定しているとのことです。同じく基盤講演で、AzureにはNVIDIAのH100/H200やAMDのInstinct MI300Xのインスタンスも用意されることが明らかになっており、必要に応じてマイクロソフトはAI向けインスタンスはMaia 100のみに限らず、顧客ニーズに応じてNVIDIAやAMDのソリューションも同時に提供するようです。クラウドプロバイダーとしては当然のスタンスでしょう。

さらに、Maia 100はAIに特化した設計が施されているため、データ処理や機械学習の性能面で極めて優れた性能を発揮することが期待されています。これは、AIの急速な発展が続く中で競争力を維持するために欠かせない要素となるでしょう。