健康

ASEANの科学技術の現在と未来に迫る

2024-09-24

シンガポール国立大学(NUS)は8月19日、シンガポール科学技術研究庁(A*STAR)と共同で、固体状態の皮膚バイオマーカーを迅速かつ持続的に非侵襲で採出できる、優れた有用性のあるユニークなセンサープラットフォームを開発したことを発表した。この研究成果は学術誌nature materialsに掲載された。

このセンサーはNUSヘルス・イノベーションテクノロジー研究所(iHealthtech)及びNUSデザイン工学部バイオメディカル工学のリュウ・ユシン助教授と、A*STAR物質科学研究所(IMRE)の主任研究員であるヤン・ル博士が共同で指導する研究チームによって開発された。コレステロールや脂肪などのバイオマーカーを皮膚上で直接採出できるもので、従来の血液や唾液を使用する方法に比べて、健康をモニタリングするための有望な代替手段である。

この技術は、心血管疾患や糖尿病などの慢性疾患の早期発見に寄与する可能性がある。運動選手の健康管理や、日常的な健康チェックにも応用できるとして、多くの関心が寄せられている。これにより、健康管理の効率性が向上し、迅速かつ簡便なモニタリング方法が実現される。

さらに、このセンサー技術の開発は、患者と医療従事者との連携を深め、病院での検査プロセスを簡素化することにもつながるため、これを活用した新たな医療システムが期待されている。センサーを使用したモニタリングによって、病院への訪問頻度が減ることも予想され、医療コストの削減にも寄与する可能性がある。

将来的には、このセンサーが様々な健康状況の監視や、病気予防における重要なツールとなることが期待されている。科学技術の進展が私たちの健康にどのように寄与するか、その可能性に目を向けることが重要だ。これにより、ASEAN地域全体の科学技術の発展と、地域住民の健康向上が実現できるかもしれない。