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2024年の米雇用統計の年次基準改定、波乱の可能性にエコノミストらが警鐘

2025-01-09

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米雇用市場は2024年、年半ばに多くの専門家が予想していたように堅調であった。年末あたりには失業率が大きく上昇したものの、雇用創出に関しては弱く、米金利動向が警鐘を鳴らしていた。

政府機関は年末を過ぎた後、勤労需要は増えるが依然として健全であるとの見解に改めた。パウエル連邦準備制度理事会議長は昨年12月の連邦公開市場委員会(FOMC)後の記者会見で、雇用市場は「堅調」であると評した。

データはその見解を裏付けるようで、10日に発表される昨年12月の雇用統計には、非農業部門の雇用者数が前月比で約16万5000人増加する見込みが市場では広まっている。3カ月平均では約14万3000人増となる。新型コロナ禍からの回復期に見られた大幅増加と比べると勢いは鈍いが、依然として引き続き堅調である。

一方、エコノミストらが警鐘を鳴らしているのは、雇用統計の年度基準変更。非農業部門雇用者数の年度基準改定は、1月17日に発表される11月分の雇用統計に影響を与えるという。昨年8月に発表された推計では、2024年3月までに1年間の雇用者増が81万8000人下回ることが示されている。これにより、リセッション(景気後退)期だった2009年以来の大きさとなる。

フィラデルフィア連邦準備銀行のエコノミストはこの下方修正の半分が3月よりも後も継続していたと示唆しており、最近の非農業部門雇用者数は月間約10万人増という予想していた。