健康

重症インフルエンザに対する抗ウイルス薬の有効性(解説:小金井 博士)-1866

2024-09-27

入院を要する重症インフルエンザに対する抗ウイルス薬の有効性を評価したシステマティックレビューとメタ分析の結果が、The Lancet誌2024年8月24日に報告された。この評価対象としたアウトカムは、症状改善までの期間、入院期間、ICU入院、侵襲的機械換気への移行、機械換気の期間、死亡、退院先、抗ウイルス薬耐性の発現、有害事象、治療関連有害事象、重篤な有害事象に設定された。

季節性インフルエンザによる入院期間は、抗ウイルス薬の投与によって有意に短縮されることが示された。また、この研究では、抗ウイルス薬が重症患者の予後を改善する可能性があることも示唆されている。特に、オミクロン株の流行以降、重症インフルエンザ患者の治療戦略の見直しが求められており、これが新たな治療法としての価値を持つ可能性が示されている。

今後の研究により、抗ウイルス薬のさらなる効果が明らかになれば、治療法の選択肢が広がることが期待される。