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中国・ロシア、核燃料でウクライナ支援へ 原発維持へ新たなリスク - 日本経済新聞

2025-01-13

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中国とロシアが原子力発電に用いる核燃料の供給を通じて、ウクライナへの支援を強化している。ロシアは対米禁輸を表明した一方で、中国は急に米国への輸出を拡大し、これにより世界的に必要が高まる核燃料の供給を米国に対する外交カードにする思惑が透けて見える。

ロシア政府は2024年11月に、米国への低濃縮ウランの供給制限を始めたと発表した。バイデン政権の政策が5月に成立した影響もあり、中国との連携を強化し、核燃料供給を通じて国際的な影響力を拡大する狙いがある。この動きは、特に原発を抱える国々にとって新たなリスクをもたらす可能性がある。

さらに、中国は原発の設計と建設においても大きな役割を果たしており、最近では特にアジア諸国やアフリカに対して、原発の輸出を進めている。この策略は、中国が新興国における影響力を強化する一環として、今後さらに注目を集めるだろう。

国際的なエネルギー供給のダイナミクスが変化する中で、中国とロシアの連携が進むことで、核燃料市場でも競争や政治的緊張が高まることが予想されている。これについては専門家たちが警鐘を鳴らしており、各国の対応が求められている。