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中国、地方債の上限6兆元引き上げ。「隠れ債務」を返還 - 日本経済新聞

2024-11-08

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中国当局、地方債の上限を引き上げ

中国当局は8日、国会にあたる全国人民代表大会(全人代)常務委員会の閉幕後の記者会見で、地方債の発行上限を3年間で6兆元引き上げると発表した。新たに調達する資金を活用し、地方政府債務の返還に充てる。

地方債の課題と経済影響

地方債は、地方政府が資金調達を目的として発行する債券であり、経済成長を促進する一方で、過剰な負債が問題視されている。特に近年、中国の地方政府はインフラ投資や公共事業の拡大を図ってきたが、財政構造の脆弱さが露呈しており、隠れ債務とも呼ばれる非公式な債務の問題が深刻化している。

財政健全化のための重要なステップ

新たに増額された地方債の発行は、地方自治体の財政健全化に向けた重要なステップと見なされており、これにより国全体の経済安定にも寄与することが期待されている。経済専門家たちは、債務返還に向けた透明性の向上や地方政府の財政規律の強化が必要だとの声も上がっている。さらに、これに伴い中央政府の監視体制も強化される見通しだ。

施行予定と経済成長への影響

この措置は11月に実施される予定で、中国経済の持続可能な成長を支えるために重要な役割を果たすと予測されている。