戦闘機って何? 謎の自衛隊「日の丸無人機」えて航空宇宙展に出てきたワケ
2024-11-09
著者: 雪
2024年10月中旬に東京ビッグサイトで開催されていた「2024国際航空宇宙展」の航空自衛隊ブースに、赤白の国産無人機が展示されていました。この無人機は現在研究しているもので、展示の意図を担当者に聞いてみました。
2024年の国際航空宇宙展に展示された20年前の無人機
2024年10月16日から18日まで東京ビッグサイトで開催された「2024国際航空宇宙展」。ここでは日本や海外の航空宇宙関連の企業が多数出展し、自社の新しい製品や技術を展示していました。
新型コロナの影響により6年ぶりの開催となった今回、全体的な特徴としてドローン(無人機)に関連した展示品が多かったことが際立っています。少子高齢化による人手不足や、戦場での人的損失の抑制などさまざまな利点があることから、ドローンは今後の航空業界にとっては不可欠な存在になるでしょう。
そのようなドローンで積極的に上がる会場において、航空自衛隊のブースでも同型の実機が展示されていました。
航空自衛隊ブースの機体は「無人機研究システム」と呼ばれ、見た目は細長いミサイルのような形状をしているが、胴体下部には航空機のような着陸用の脚がしっかりと装備されています。
この実機は最新のものでなく、防衛装備庁と富士重工業(現SUBARU)が2008年頃に試作した試験機で、現在はすべての試験を終えて使われなくなった機体です。
防衛装備庁は1995年頃より、航空機から空中発射する無人機「多用途小型無人機(TACOM)」の研究開発を始めました。その後、F-15戦闘機から空中発射し、陸上基地へと自立飛行で戻るという様子が公開されています。このような形で再利用できる機体として、この「無人機研究システム」は開発されています。
機体は事前にプログラムされた経路に沿って自動飛行し、GPSを活用して位置を自動的に行うことができました。胴体下部には映像を撮影するカメラが搭載され、映像情報などのデータを収集し、それを伝送することも可能でした。
4機が製造され、各種試験の結果、所望の成果が得られたことから2016年12月には運用は終了。機体は展示機となり、1号機が入間基地内の修武台記念館、4号機が横田基地の陸地内にそれぞれ展示されています。今回、国際航空宇宙展に展示されたのは前者、すなわち1号機です。
「無人機研究システム」の性能は、現在のドローンでは実用化された技術であり、この機体自体は決して新しいものではありません。それでも航空自衛隊がブースで展示した理由は何なのでしょうか。ブースの担当者に聞いてみました。