戦車やトレーラー運転できる自衛官、バス業界で即戦力投手…セカンドキャリアに生かせる「ユニフォーム」の取り組み : 読売新聞

2024-11-13

著者: 愛子

長時間勤務の規制強化による「2024年問題」でバスの運転手不足が深刻になる中、岩手県内で退職後の自衛官を運転手として確保しようとする動きが始まった。トラックなどの大規模免許を持つ自衛官はバス業界に対して「即戦力投手」。自衛官のセカンドキャリアに生かせる「ユニフォーム」の取り組みに注目が集まっている。

盛岡市や県南、沿岸地域などで路線バスを運行する県交通(本社・盛岡市)は8日、盛岡市の中央自衛隊岩手駐屯地で、専用の説明会を開催した。集まったのは退職時期が迫る自衛官8人。岩手県だけでなく、秋田の駐屯地からも参加した。

同社の本田一彦社長は「コロナ禍で採用活動が難しい中で、2024年問題に直面し自衛官に対しても強い思いがある」と語り、「やりがいがあり、やりながら体力をつけてもらうことで負担を軽減できれば」とも述べた。

説明会では、同社の事業内容や勤務時間、労働環境などについて具体的な説明があり、参加者たちは県内における報酬や福利厚生について質問を重ねた。自衛官としての経験を持つ退職者は、困難な業務に対する覚悟や責任感を生かせる業界としてバス業界に期待を寄せた。

また、盛岡市で勤務するバス運転手は、「働きやすい環境を整えていく。国のために働いてきた自衛官たちの力も借りたい」と、若手社員育成への意欲を示した。自衛隊で得た運転技術や体力を活かし、地域に貢献する姿勢が強調されている。

自衛官は基本的に15年から18年の定年を迎え、退職後は次なる職場を求めることが多い。バス業界にとっても貴重な人材の活用が期待されている。今後、自衛官の多様なスキルを地域社会に引き出し、さらなる活躍をつなげられるかに注目が集まっています。

自衛隊からバス業界へ、実際に採用となる事例が増えており、社会貢献の一環として期待されています。