
月に眠る莫大な資源「ヘリウム3」人類全体の1万年分のエネルギー、中国も採掘を狙って月面探査を加速!?(スポーツチャンネル)
2025-04-03
著者: 陽斗
近年、月面に豊富に存在すると思われる「ヘリウム3」が、未来のクリーンエネルギー源として注目を集めています。ヘリウム3は非常に少ない地球上の資源であり、月の表面(レゴリス)には豊富に埋蔵されていると考えられています。ヘリウム3に関する説明をしていきます。
人類全体の1万年分のエネルギーを供給できると言われるヘリウム3は、核融合反応に利用されることが期待されています。この反応は、現在の原子力発電に比べて非常にクリーンで、放射性廃棄物が出ないため、環境に優しいエネルギー源とされています。現在、月面にはおよそ100万トンのヘリウム3が存在する可能性があり、その採掘が実現すれば、持続可能なエネルギー問題の解決に大きく寄与することでしょう。
ヘリウム3は太陽風によって月面に降り注ぎ、長い歳月をかけて蓄積されています。太陽風は地球に到達する前に、地球の磁気圏によって遮断されるため、地球上にはほとんど存在しません。そのため、月が人類の新たなエネルギー資源として注目を集めるのは当然のことと言えます。
中国は、ヘリウム3の採掘を実現するため、月面探査を加速しています。最近打ち上げられた月探査機「嫦娥(チャンアー)5号」は、月のサンプルを収集し、地球に持ち帰ることを目的としています。将来的には、月面基地を設立し、ヘリウム3の採掘を行う計画が進められていると言われています。
また、月面探査は他の国々でも競争が激化しています。アメリカのアルテミス計画や、日本のはやぶさ2を含む宇宙探査活動が進行中で、月面における資源の探査と利用が注目されています。
ヘリウム3の利用が実現すれば、地球のエネルギー問題は一気に解消に向かう可能性があります。しかし、技術的な課題も多く、まだまだ研究と試行が必要です。今後の宇宙開発とヘリウム3の採掘の進展が、我々の生活にどのような影響を与えるのか、一層の注目が集まることでしょう。日本もこの競争に乗り遅れないよう、宇宙技術の開発と国際協力を進めることが求められています。
未来のエネルギー供給源としてのヘリウム3は、ますます我々の期待を抱かせていますが、その採掘と利用に向けた現実的な進展が求められています。