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原油先物、一時14カ月強気の高値―ロシア石油産業への密制裁受け

2025-01-13

著者: 結衣

13日の原油先物相場は続伸し、一時14カ月ぶりの高値を記録した。バイデン政権が10日、ロシア石油産業への新たな包括的制裁を発表したのを受け、供給が逼迫するとの懸念が高まり、アジアの主要な原油輸出国の間に緊張が広がった。

北海ブレント原油先物は一時、81.49ドルと上昇。ロンドン時間午前6時11分(日本時間同日午後3時11分)時点は1.8%高の81.18ドルとなった。前営業日には14%近く上昇していた。

ウエスト・テキサス・インターミディエイト(WTI)先物は1.9%高の78.05ドルで取引されている。

関連事項:バイデン政権、ロシア石油産業への包括的な新制裁―取引の締め付け強化

米国の制裁を受けて、インドと中国の動向に注目が集まっている。ロシアによるウクライナ侵攻後、インドはロシア産原油の主要輸入国となっており、さらに中国は世界最大の原油輸入国である。上昇した原油先物相場は、他国経済の回復にも影響を与えると考えられている。

原油価格高が一段と根強くなる中、資源国の中では新たな経済動向が見られる一方で、各国・地域の中堅銀行にも苦難がある。米経済が持続的な成長を遂げているとされる一方で、インフレ圧力が加わり、投資家の間では原油市場での利下げ圧力が強まっている。これにより、投資家は原油価格の動向に対してさらなる警戒感を強めている。