健康

原発性免疫不全症の新生児期診断の実現へ - 多数の遺伝性疾患を対象としたネットワーク型血液プロテオーム探索法の開発が期待される

2024-11-01

著者: 芽依

遺伝子変異が原因で起こる遺伝性疾患の中で、特に早期に発見することが治療成功に繋がる疾患の一つが、原発性免疫不全症です。この疾患は、治療が困難になりがちなため、早期に適切な診断と治療を始めることが重要です。日本では、全国的な「新生児マススクリーニング」という取り組みが進められており、様々な遺伝性疾患の早期発見が試みられています。

近年、研究により「新生児マススクリーニング」に新しい技術が導入され、特に「プロテオーム解析」が注目されています。この技術は、血液中のたんぱく質を細かく分析することで、病気の兆候を発見する手段として利用されます。特に、原発性免疫不全症に関連するさまざまなバイオマーカーを特定することができる可能性があり、早期診断の精度を高めることが期待されています。

例えば、最近の研究では、高い感度で異常を検出できるプロテオーム手法により、すでに多くの遺伝性疾患の早期予測が行われています。さらに、今後は原発性免疫不全症以外の疾患に対しても適用範囲が広がることが見込まれています。

また、研究チームは特定の遺伝性疾患を対象にしており、特に小児科医や臨床医との協力を強化しています。具体的には、京都大学の研究において、新生児期における免疫不全症患者の早期発見に向けた結論が出され、2024年の10月25日に「Journal of Clinical Immunology」に掲載される予定です。この発見により、今後の医療現場において、より迅速かつ正確な診断が行えることが期待されています。

特に、日本国内では、新生児期の診断システムが強化されることで、遺伝性疾患に苦しむ子どもたちへの支援が加速するでしょう。新たなプロテオーム解析法の導入が、何千人もの新生児に希望を与えることになるかもしれません。