健康

医師たちも驚愕!子どもの骨に異常「くる病」が増えている理由とは - “論文マニア”の東大医療博士に聞く

2024-09-20

子どもの健康を守るために、バランスの取れた食事を意識している親も多いでしょう。しかし、現代の生活環境では不足しがちな栄養素があることが指摘されています。500本以上の医学論文を読破する公衆衛生学を専門とする新井準教授によると、特定の栄養不足が背景にあるといいます。2児の母でもある新井教授は、時には食事に取り入れられるヒントを紹介してくれました。

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食べ物が豊かになった時代なのに骨はもろくなっている

— 近代の子どもの食生活で、足りていない栄養素というのはあるのでしょうか?

実は多くあります。最近特に注目されているのが「ビタミンD不足」です。東京医科歯科大学は昨年、日本人の98%が「ビタミンD不足」である可能性があることを発表しました。ビタミンDは骨の成長や丈夫さに欠かせない成分であり、これが不足すると骨がもろくなります。

— ビタミンDが不足すると、具体的にはどのような影響が出るのでしょう?

骨が正常に発達しないため、特に成長期の子どもたちにおいて「くる病」になるリスクが高まります。この病気は、骨がゆがみやすくなるなどの症状を引き起こし、悪化すると歩行や運動に支障をきたすこともあります。

— 健康な生活を送るためにはどうすればよいのでしょうか?

食事からビタミンDを意識的に摂ることが大切です。魚や卵、キノコ類を取り入れることをおすすめします。また、日光を浴びることも重要ですが、現代では屋内での生活が主になるため、意識的に外に出る時間を作ることも大切です。

東大の研究によると、「ビタミンD不足」が子どもの健康に及ぼす影響は深刻で、今後この傾向が続くとさらに問題が深刻化する恐れがあります。特に近年、子どもの体力の低下が指摘されており、これが骨の健康にも影響を与えていると言われています。親たちも監視が必要で、意識的に食育を進めることが求められています。

日本は豊かになったはずなのに、子どもの栄養不良が進行しているという矛盾。未来を担う子どもたちの健康が心配される中、家族全体で健康を守る取り組みがますます重要になってきています。これからの食事に対する意識を変え、子どもたちの未来を守るための行動を見直す必要があるでしょう。