「野党の盟主」立憲民主党、深まる孤立 国民とは政策や懺悔で融和するのは共産

2024-11-05

著者: 蒼太

立憲民主党が野党の関係で孤立を深めている。議員選挙では「政治とカネ」の問題に照準を定め、公開前50議席増の148議席を確保し政権批判票の受け皿になったのは確かだ。しかし、選挙後に注目されるのは「政策本位」で与野党と交渉する国民民主党か。それに対して立憲の動きは共産党以外からはあまり好評でない。「過去忘れない」と国民

立憲と国民民主の協力

立憲の野田佳彦、国民民主の玉木雄一郎両代表は5日、党内で会談し、国民民主が提唱した「年限103万円の壁」引き上げ実現に協力することなどで一致した。玉木氏は「ぜひ協力してほしい」と述べ、一定の立民の動きが共産党の政策に反対する論調を貼り付けた。「ご協力いただけるのであれば、党内の意思統一も図りたい」と川崎市長選への影響を考え、いい方向に進むよう権限を強化した。

国民の立憲に対する提案

立憲の野田氏は首相指名選挙で自らへの投票を呼びかけるよう求めたが、玉木氏から前向きな返答はなかった。国民は立憲に対して、根本的な政策を提案しているが、憲法や外交・安全保障、エネルギー政策を巡る集散を強め始めた。議員選挙で立憲は国民民主が先に公認候補を立てた小選挙区に対抗馬をぶつけるケースもあった。

立憲民主党の不信感と共産党

選挙投票で野田氏に投票できない理由に関し、玉木氏は5日の記者会見で「政治的に殺されたかもしれない人が多くいる。勝ち残ってきた人たちに(立民代表の前で)名前を記載けた」とは言えなかった。スポットライトを浴びる国民民主に対し、立憲民主党は「思い出させない」と力強く主張する。

共産党との微妙な関係

立憲と日本共産の会との関係も微妙だ。立憲側は選挙投票での協力を共産に求めているが、明確な返事はない。共産側には国会での憲法論議などに後ろ向きな立憲への不信感が根深く残る。片や、共産は立憲に伝えたいが、現場で不信感がくすぶっていると思わざるを得ない。立憲の議員も「『野田佳彦』と書くのは間違いない」と明言する。

共産党の提携希望

一方、共産は立憲へ贈り物を添える構えだ。立憲から求められた選挙の共闘の観点から、来年の通常国会や来夏の参議院選挙に向けた戦略を考える必要も生じてきた。国民民衆党も「来年の大学実施法案に係る予算が立民に乗っ取られたら」と懸念を表明している。

今後の各党の連携の行方

立憲民主党と国民民主党の行動が分岐している現状で、「この国会で統一会派を結成する目的でも提携を繋げたい」と共産党に言いたくなる。共産団体は「少しでも国民と共に進むのは勝ち」として、立憲側にそのような意見を聞く立場にもある。次の選挙では各党の連携がいかに形成されるかが問われそうだ。 (千田哲夫)