野村證券の奥田社長ら8人が報酬一部返上、相場操縦トレーダーは退社
2024-10-31
著者: 桜
野村ホールディングス(以下、HD)は31日、役員の報酬に関する国債の相場操縦(金融商品取引法違反)問題を受け、同社の社長の奥田健太郎氏が報酬の一部を自主的に返上することを発表した。
関係者によると、相場操縦を行ったトレーダーは全員が野村証券を退社した。発表資料によると、野村証券はこのトレーダーやその管理者に対し、社内規定に基づき厳正に処分を行っている。
野村証券の役員のうち、PDの社長を務める奥田氏と中島良副社長ら8人が報酬の20%を2ヶ月間、自主的に返上する。一方、トレーダーによる相場操作が発覚した際、証券会社の業務執行には大きな影響が出た。役員たちはこの状況を深く受け止めている。
証券取引等監視委員会は9月、野村証券のトレーダーが国債の取引で相場操縦を行ったとして、同社に2176万円の課徴金納付を命じた。このことを受けて、野村証券はすぐに課徴金を支払った。
また、今後の業務改善計画に関しても発表され、法令遵守体制や内部管理体制の強化などが取り組まれていくようだ。特に、金融商品取引法に関連する新たな対策が講じられる予定。
報酬の返上に関しては、業界全体の倫理観を高めるためにも必要な措置とされ、同社はさらなる信頼回復に努める姿勢を示している。
今年10月11日には、野村証券が持つ国債市場特別参加者(プライマリー・ディーラー)に関わる出資を一時停止し、経営陣は今後の経営戦略についても見直す考えを示している。
一方で、野村証券の業務規模は大きく、投資家に与える影響も大きいため、系列数社の経営状況も注視される必要がある。市場の信頼を築くためには、今後どのような進展を見せるのか期待が寄せられている。
このような問題が発生した背景には、監視体制の不備や内部統制の甘さが指摘されており、同社はこれらの問題解決に向けた具体策を打ち出す必要がある。新たに設立される「グローバル・マーケッツ・ソリューションズ部」では、再発防止に向けた取り組みや顧客視点での実効性の検証が進められるとのことで、引き続き業界内での信頼回復が求められている。