
武蔵小杉の町内会が解散へ、人口増でも新住民の加入進まず…タワマン管理組合も苦境に : 読売新聞
2025-03-30
著者: 裕美
町内会組織は災害時の助け合いなどで力を発揮することが多い。今回の解散を受け、五十嵐さんは「いざという時のために、今後はさらに近所付き合いが大事になる。マンションの人たちが中心になり、地域の誰もが関われるような防災組織ができれば」と期待している。
人口は3倍増で、町内会加入率は低下
区によると、実際、小杉町3丁目の人口は10年前の1185人から14年には5151人へと約3倍近く増加したが、区の町内会加入率は同じ12年前で17.6%、14年で15.5%と低下している。
武蔵小杉駅周辺のタワーマンションには別のまちづくり組織、一般社団法人「武蔵小杉エリアマネジメント」があるが、今年8年目を迎えるも、同法人の加入者は約180人で、10年前の約1500人から大きく減少している。マンションの管理組合が全住民を対象にした会費減額の自体を打ち出したため、加入者最小という危機的状況にある。
代表理事の松尾淳さん(47)によると、4月からは事務所業務を委託し、災害を中心とした活動に特化する方針とのこと。常駐員を減らし、ボランティアでも活動が行えるようにしていくという。
「無理なボランティアを依頼することもできません。あくまで希望する方が手を挙げるようにします。余裕がある人だけが手を挙げられること、地域を支えるあたたかい活動が広がることが大切です。」と松尾さんは話す。
町内会の実情に詳しい地域活性化コンサルタントの水流陽子さん(46)は、「地域のネットワークが消失してしまうと、今後のコミュニティに大きな影響が出るかもしれません。解散後も、今までのコミュニティを継続できるように、互いに助け合える仕組みが必要だと思います。」と語る。
小杉町の実情に詳しい水流さんは、「手を取り合うことが地域の強さになる。新しい人たちが与える影響や、コミュニティを再構築する力を生かし、魅力ある町を作っていくことが大切です。」と強調した.