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Windows 10のサポート終了とWindows 11 24H2の問題をおさらいする

2025-01-16

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2025年もよりよくお過ごしいただけます。少々遅いご案内となってしまいましたが、2025年には「Windows」のデバイスにとって重要なことがあります。そうです、10月14日に「Windows 10」のサポートが終了します。多くのユーザーが「Windows 11」への移行を余儀なくされます。

Windowsのバージョンアップに関して

思えばWindows 10がリリースされた時、言い方は悪いですが、私はMicrosoftの片棒を担いで、「Windows 10は最後のメジャーバージョンアップです」「これからは、Windows as a ServiceとしてWindows 10が進化し続けるのだ」と頻繁に語っていました。しかし、それがいつのまにか、Windows 11をリリースすることになったのです。その時はなぜか、ふしぎなもので、Windows 10のサポートが終了するのです。

IT管理者は、Windows 10への移行時と同じように、Windows 11への移行に不安を抱えているのかもしれません。私は、そう言えないと思います。

Windows 11はすでにリリースされてから3年が経過します。Windows as a Serviceとして、Microsoftの戦略である「Quality Update」(QU)と「Feature Update」(FU)という進化の形が浸透しています。特に、今までOSのはいれ替えをネットワーク経由で行うというのは、Windows 10への移行時にはあまり経験がなく、企業のIT管理者からすれば、「そんな危なっかしい橋は渡れない」と言われていました。

しかし、Windows as a ServiceのFUは、それに対して1〜2年に1回の頻度で行われます。最初に恐れを抱いていたIT管理者は、さえずれのツールの支援もあり、今ではもう慣れています。Windows 11はWindows 10の延長線上にあり、最終的にFUという位置付けです。アプリケーションについても、Windows 7からWindows 10への移行に関しては、さほど心配はないと言われていました。

Windows 11は見た目が大きく変わったため、そこに目を奪われがちですが、そこに目を奪われず、Windows 11リリース初のカーネル(OSのコア部分)のバージョンはWindows 10と同じものでした。Windows 11への移行に関して、PCを入れ替えるのであれば、通常のPCのリプレースと変わらず、ネットワーク経由でアップデートするならばFUと変わらないわけです。

移行にあたる障壁

ただし、Windows 11の移行に何も壁が無いわけではありません。大きな壁は2つあります。

PCの買い替えが必須になるケースがあります

最新バージョンの24H2は、新しいカーネル(OSのコア)であり、今回は不具合が多い

1つ目は、PCでの「TPM 2.0」搭載が必須となっていることです。TPM(Trusted Platform Module)とは、セキュリティ機能を提供するハードウェアチップです。主に暗号化、デジタル署名、認証、データ保護などの機能をサポートします。このチップがPCに搭載されていないと、Windows 11はサポートされません。

実はWindowsの歴史において、Windows 11のTPM 2.0のように特定のハードウェア要件が必要となった例は、他のバージョンではあまり見られません。過去のバージョンでは、仮に「Windows 8」では「UEFI」(Unified Extensible Firmware Interface)とセキュアブートのサポートが推奨されましたが、必須ではありませんでした。Windows 10でもTPM 2.0のサポートが推奨されていましたが、必須ではありませんでした。このように歴史上、最も大きな必須要件の変更があるのがWindows 11というわけです。

そのため、パフォーマンスを犠牲にして古いPCでWindows 11を使うということが許されないケースが出てきます。その時は必ずハードウェアの買い替え(リプレース)が必要となってしまいます。MicrosoftがWindows as a Serviceという理念を強化している限り、Windows 11という新しいバージョンを出した理由がここにあると言えるでしょう。先行者としてMicrosoftが懸念とともに次第に自身を課しています。今後はハードウェア要件の変更、過去のハードウェアを切り替えていく(パフォーマンス以外で)ことを示したのだと思います。