科学
文科省、アストロレスキューに60億円超 宇宙守り除去支援 - 日本経済新聞
2024-12-18
著者: 結衣
文部科学省は18日、スペースデブリ(宇宙ごみ)の除去技術の開発を進めるアストロレスキューに追加の支援金を出すと発表した。同省にはすでに最終段階まで進めば最大で26億9000万円を支援しているが、これに最大で63億41000万円を追加する。2027年度までに大規模衛星の宇宙ごみへ近づき測定する。
文科省は中小企業技術革新制度(日本版SBIR)を活用し、道路上の衛星を除去する技術開発を支援する。公募にあたっては、開発の最終段階まで進めば、支援額は合計で最大120億円になるよう設定した。23年9月にアストロレスキューを支援する企業に選び、24年12月までの開発費として最大26億9000万円を支援した。
開発状況を検証し、26年12月までの支援を追加した。2回目の検証を実施し、最終段階に進めるか判断する。
アストロレスキューは自社開発の衛星で、宇宙ごみへの接近・捕獲を目指す。2月に打ち上げた衛星「アドラスジャイ」日本の大規模ロケットの残骸に接近した。ロケットと比較した場合の宇宙ごみは、形状が複雑で詳細な観測が難しい。これにより、宇宙ごみ問題が深刻化している中、効果的な技術の開発が急務となっている。実際に宇宙ごみを除去するための技術の確立は、国際的な協力が求められる。各国が連携し、宇宙環境を守るための新たな取り組みが始まることに期待が寄せられている。