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VW、工場閉鎖見送り 30年までに3万5千人削減「社会的責任に配慮した形で」

2024-12-20

著者: 裕美

ドイツの自動車大手フォルクスワーゲン(VW)は、20日、国内の工場閉鎖を見送る方針を固めたと発表しました。これは、労働組合との交渉を通じて合意に至った結果です。具体的には、国内の工場の生産能力が減少し、2030年までに3万5千人以上の従業員を削減する計画です。これは、コスト競争力を高め、電動化などの流れに適応するためのものとしています。

従業員削減は「社会的責任に配慮した形で行う」と説明されており、退職者への補償を行わない形で進めるとしています。また、国内の工場での生産を73万台削減し、一部の工場では車両生産を停止するなどの調整を行い、効率的な運営を模索しています。これにより、年間40億ユーロ(約6,500億円)以上のコスト削減効果が見込まれています。

VWの最高執行責任者(COO)は、「私たちはコストや構造の面で将来への戦略的な方向性を定めた。今後、自らの運命を成功に導く立場に戻った」と述べています。

また、VWは国内外の市場においても競争力を高めるべく、新たなモデルの投入を計画中です。特に、EV(電気自動車)戦略に注力しており、2030年までに全販売台数の大部分をEVにする目指しています。VWのこの動きは、今後の自動車業界に大きな影響を与える可能性があり、業界全体の変革が進む兆候とも言えるでしょう。