健康

ウイルス感染に関わるプロセスの連続的な映像化に成功 ~映像教材としての有用性も期待~

2024-11-14

著者: 海斗

【研究の概要】

東京理科大学 教養教育研究院 神楽坂キャンパスの武村雅春教授、米田プロダクションの槙芽愛美氏は、巨大ウイルスであるミミウイルスの宿主であるアカントアメーバに感染させ、細胞内で増殖して放出される様子を動画で連続的に撮影することに成功しました。ウイルスの増殖過程の連続撮影としては、世界で初めて成功した例です。

新型コロナウイルス感染症のパンデミックを経て、人類は常に多種多様なウイルスに囲まれて生きているという認識が浸透しつつあります。こうした新たな状況を踏まえ、ウイルスに関する科学的な理解を深めることは、一層重要になっています。

一般的なウイルスは非常に小さく、電子顕微鏡でなければ観察できないため、感染時の振る舞いや動いている様子を観察することはできませんでした。しかし、近年の研究により、ウイルスの感染過程を詳細に観察するための新たな手法が開発されています。今回の研究では、光学顕微鏡を用いて、ウイルス感染の一連のプロセスを映像化する手法が開発されました。

さらに、この映像化された教材の活用が期待されています。特に、科学教育の現場において、難解なウイルスの動きを視覚的に捉えられることで、学生たちの理解を助ける教材としての役割を果たす可能性があります。本研究の成果は、2024年11月8日に米国微生物学会誌「Journal of Microbiology & Biology Education」に発表される予定です。

【研究の背景】

インフルエンザウイルスやコロナウイルスなどの病原性ウイルスは、ヒトに感染しさまざまな病気を引き起こします。それに前後して、これらの研究も活発化しており、ウイルスの行動や感染の仕組みについての理解が深まっています。特に巨大ウイルスで知られるミミウイルスに関する新たな研究が進められており、今後の科学的な応用が期待されています。

今後、本研究の可能性は高く、多くの大学や教育機関でのウイルス教育に役立てられることが期待されます。