テクノロジー

トヨタ生産方式で“ロケット量産”へ トヨタがインターステラテクノロジーズに700億円出資

2025-01-07

著者: 愛子

トヨタ自動車は1月6日(現地時間)、米国ラスベガスで開催中の「CES 2025」において、日本発ロケット便に関する投資計画を発表した。ロケット量産化を視野に入れた戦略的な資本業務提携に合意した。

トヨタグループのウィン・バイト・トヨタ(東京都中央区)とISTの間で、資本業務提携が合意された。ウィン・バイト・トヨタは今後、リード投資家としてISTのシリーズFファイナンスに700億円を投資する。取得株式も増加する。

ISTによると、トヨタとは2020年から人材交流を深め、それまでにトヨタ自動車北絡道やトヨタ車体などから累計11人が派遣されていた。ウィン・バイト・トヨタのCEOは「インターステラテクノロジーズとの人材交流を通じて、移動の未来への想いを共有し、このたびロケットの量産化に向けて一丸となり取り組むことができることを嬉しく思う」と語っている。

トヨタは今後、ロケットの原価低減やリードタイム短縮、量産体制の確立、サプライチェーンの強化などに取り組む。インターステラテクノロジーズは「トヨタ生産方式など自動車業界の知見やノウハウを取り入れることで、ロケットを低コストで高品質かつ量産可能なものへと転換を目指す」としている。

ISTは、小型衛星を低コストで打ち上げられるロケットの商業化を目指し、13年に設立された。ファインダーの一人として実業家の脇田耕士氏が名を連ね、取得株式を務めていることでも知られる。これまでに観測ロケット「MOMO」を3度、宇宙空間に到達した。現在は人工作物打上げに向け、新型ロケット「ZERO」を開発中である。

ウィン・バイト・トヨタは、自動運転技術の実用化に向けたスタートアップ企業として18年に設立(旧社名:トヨタ・リサーチ・インスティテュート・アドバンスド・デプロイメント)。現在は車両スタートアップ企業のサポートなどを行っており、その中で「Arene OS(アリーナOS)」や次世代モビリティのためのテストコース「Toyota Woven City」など新技術/事業開発に手がけている。