トヨタ、水素燃料電池ハイブリッド専用車をハイブリッド化 航続距離1.2倍に
2024-11-16
著者: 雪
トヨタ自動車は11月16日、水素燃料電池エンジンにTHSハイブリッドユニットを組み合わせた水素燃料電池ハイブリッド専用車を発表した。この車両は、前年に公開された水素燃料電池エンジン搭載車をハイブリッド化したもので、航続距離が1.2倍に向上している。
この水素燃料電池ハイブリッド専用車は、トヨタが水素燃料電池とハイブリッド技術の商用性を実証するために作り上げたものである。最新のプラットフォームは、ランドクルーザー300系のV型6気筒3.5リッターツインターボを搭載しており、ここに水素インジェクターなど水素燃料電池に必要な構成を加えられている。
水素燃料電池タンクには、ハイブリッドという特性が強くありながら170MPaの高圧水素タンクを使用している。出力は120kW(換算すると163.2PS)を実現しており、商用車における実用性が高まっている。
水素トヨタはこれをオーストラリアで実証運行。実際の商用利用を行うと同時に、水素商用車の実用化を絡めていった。
トヨタ自動車Chief Technology Officer兼副社長である中嶋光彰氏は、「みなさんお待たせしました。ちょうど1年前、23年の11月にグローバルハイブリッド専用の水素燃料電池車の運行を体験していた」と言及。また「1年間さえ続けておりました。オーストラリアの過酷な環境、それから都市部、さらに物流れとさまざまな場所でお届けし、お客様の豊かなデータを得られた」と語った。
さらに水素ハイブリッド車の最大出力は120kWに達し、航続距離は200kmとなっており、狭いルート間を走行する商用利用であれば特に問題はないものの、水素が減った場合に心理的にお客様の声として上がっていた。
水素が可能な水素ステーションはまだ整っていないため、普段は水素インジェクターで運行するリシチュエーション対策のクルマやデイリーで利用する観光レクレーター等には圧倒的にヘビーデューティな環境であれば活用されることになる。
この水素ハイブリッド車両が公開されたのは、THSに搭載されるとして期待されていたが、どうしても他と重そうであるかの印象を受ける。水素の直接利用だけでなく、水素から得られるエネルギー効率という意味でさまざまな工夫が必要とされるだろう。
具体的には、内燃機関の関係が直に引き継がれる水素ハイブリッド専用車両では、より高温で入れられた水素を熱回収する装置がどのように発揮されるかがポイント。この水素がどれくらい近い代替エネルギーとしてフィットしていくか、特に大規模な商用車両には所期の国々において期待されている。
水素の効果や利便性を体感する場面が増えれば、水素ハイブリッド車も次第にそれらの環境で活用される可能性が高まるだろう。来年春にオーストラリアでの実証運行が開始される予定で、実際の使用条件や問題点を確認していくことで、さらに開発が進展していくだろう。