「トラックドライバーが触ったおにぎりは買いたくない」 ドライバー自身による「棚入れ問題」が蔓延していた、現代社会の構造的病理
2024-09-22
著者: 雪
トラックドライバーの棚入れ消費
読者の中には、コンビニエンスストアやスーパーマーケット、あるいはディスカウントストアで、職業に従事しているトラックドライバーが商品を陳列しているのを見たことがある人もいるだろう。
最近では、店員ではない人が商品棚に業務を行っているのを目にすることもあるが、その一方で、廃棄が多く見られる。
ドライバーは、一日の業務において取り扱う商品の魅力に反して、棚入れへの参加が少ない。
このような状況の背景には、三つの理由がある。まず一つ目は、「配送効率の向上」である。多くの店舗に対し商品を配送するため、限られた時間で配送を行なわざるを得ない。そのため、棚入れに余裕がない。
二つ目は、「スケジュールの問題」である。特定の時間に商品を配送しなければならず、ドライバーが店舗に留まる時間が制限される。
三つ目は、根本的な「消費者心理」である。消費者たちは、自身の食べ物について、見知らぬ手で触れられたものを好まない傾向がある。そのため、「ドライバーが触ったおにぎりは買いたくない」という感情が助長されている。
さらに、最近のトレンドとして、消費者は精製食品や加工食品を避け、より自然で新鮮な食品を求める傾向が強まってきている。このことは、ドライバーたちが陳列した商品が消費者に対して不信感を与える要素となっている。彼らは、より健康的で安心できる食品を求めるが、これが棚入れの参加をむしろ難しくしている。
実際、消費者側がドライバーの影響を忌避することで、ドライバーたち自身が仕事に対して信頼感を失うというジレンマも生まれている。この流れは、安全な食文化を求める一方で、実際のビジネスの現場においては非常に複雑な状況を生み出すことになっている。食の安定供給が求められる今、ばら撒いた信頼がすぐに回復することを願うばかりだ。