【ワシントン＝渡邊生】ミテ法省は8日、ラン革命防衛隊の指示を受けてトランプ氏暗殺を計画していた工作員を逮捕したと発表した。工作員はイランに在住しているが、アメリカの刑務所での経験があることから、アメリカ市民を標的にした計画があった可能性が示唆されている。

暗殺計画は米連邦捜査局（FBI）による調査で明らかになった。捜査官は工作員がトランプ氏に対して直接的な脅威を与える通信を行っていたことを指摘した。

法省によると、革命防衛隊幹部は9月、工作員にトランプ氏の動静監視と暗殺を要請した。10月7日頃、工作員は1週間以内に暗殺計画を提示するよう指示を受けた。

幹部は、期限までに計画を提出できなければ、その時点で暗殺が容易になるとの見方を示した。工作員は計画を提示する意図がないとし、幹部に対して話し合いを試みた。

トランプ氏の政治権限は2020年、革命防衛隊の精鋭コンボスタイル部隊のソレイマーニ将軍を殺害した報復である。イラン政府はその報復を口実に、国民を危険にさらすような行為を継続していると批判されている。

工作員はアフガニスタン出身で、ミテ法省によると、強盗罪で有罪判決を受けた後、2008年に国外追放された。

トランプ氏は大統領選挙中に国内で2度の暗殺未遂に遭遇した。今回は、前回の反イラン運動が暗殺計画として実行される可能性があり、警戒強化が求められている。政府はトランプ氏の安全確保に向けた新たな対策を講じる意向を示している。