トランプ氏、1期目以上に独立主義追求、間違いなく危険…ボルトン元大統領補佐官 : 読売新聞
2024-11-08
著者: 裕美
【ワシントン=向井裕子】米国の第1次トランプ政権下の2018~2019年に国家安全保障担当補佐官を務めたジョン・ボルトン氏は、トランプ氏の政策が国際的な安全保障に及ぼす影響について警鐘を鳴らした。ボルトン氏は、トランプ氏が次期大統領選で再選を目指した場合、1期目以上に国内外での独立主義的な傾向を強める危険があると指摘した。
トランプ氏が推進する「アメリカ・ファースト」政策が、他国との関係を損なう恐れがあるとボルトン氏は語った。特に、彼が示す「外国との友好関係がなくても構わない」という姿勢は、アメリカの国際的な地位を低下させる危険性を孕んでいると警告した。
トランプ氏の政権時代には、北朝鮮との関係や中国への対応についても様々な議論が巻き起こった。2019年には、トランプ氏が北朝鮮の金正恩委員長との非公式な会談を行うなど、一見、外交政策が変わったように見えたが、ボルトン氏はその背後にある戦略は依然として問題であると述べた。彼は、トランプ氏が国際社会との対話を軽視しがちであることが、将来的な危険な状況を招く可能性があると懸念している。
また、ボルトン氏は、自身が経験したトランプ政権内の複雑な権力構図についても言及した。彼は内政や外交においてトランプ氏が望む方向に政策を進めることが難しくなっていることを強調し、これが次期選挙におけるトランプ氏の行動に大きな影響を与える可能性があるとも語った。
ボルトン氏は、トランプ氏に対して「もし再選されるならば、米国はさらなる孤立主義へと向かうことになる」と警告し、国際的な同盟関係が弱まり、アメリカ自身の安全保障にも悪影響を及ぼすことを懸念している。これは、ボルトン氏自身の外交理念とも相反するものであり、過去のトランプ政権時の出来事を踏まえると、具体的な対策が講じられない限り、アメリカにとって厳しい未来が待ち受けていることが示唆される。ボルトン氏の発言は、今後の政局にも大きな影響を与えそうだ。