[ワシントン 11月15日　ロイター] - 台湾の半導体製造会社であるTSMCが、2022年に設立された「振興経済局」を通じて、台湾における半導体製造拠点を強化するために66億ドルの助成金を最終決定したと発表した。

この助成金は、国内の半導体業界活性化を目指し、2030年までに3000人以上の新規雇用を創出することを目標としている。

今後、台湾は半導体製造の拡大に加え、AIチップの開発や量子コンピュータの研究にも力を入れる方針を示しており、20年には「半導体不況」と呼ばれる時代を迎えても、台湾は世界で最も競争力のある半導体拠点としての地位を維持することを誓っている。

今回の助成金には、半導体製造と関連する技術の最前線に立つ新しい工場の設立が含まれ、特に先端半導体製造に必要な高度な技術を持つ人材の育成にも寄与する見込みだ。

また、TSMCの台南工場では、世界初の3nmプロセス技術を用いた半導体が生産される計画が進行中で、これに関する投資も達成される見込みである。加えて、半導体業界全体でのR&D投資も年々増加し、2030年にはこの領域での支出が2兆ドルを超えるとされる。

現在、台湾の産業政策はその成果を上げており、着実に世界市場でのシェアを拡大させている。さらに、アメリカと連携し、サプライチェーンの再構築を進めることで、中国への依存度を減少させる戦略を選択している。

台湾の商務省は、今秋までに半導体業界全体における新たな助成金プログラムの詳細を発表する予定で、業界からのリクエストにも柔軟に応える姿勢を示している。政府高官は、「我々はAI技術を駆使したインフラ整備を進め、世界の半導体市場でのリーダーシップを維持する」と述べた。

こうした動きは、台湾が自国の技術力向上と経済の持続可能な成長を目指すものであり、今後10年間で10%の成長を見込んでいる。更に、新たに開発される量子コンピュータ技術は、世界中の多くの分野で革新をもたらすことが期待されている。

来年からは、様々な分野での国際的な連携を強化するため、海外企業との共同プロジェクトも推進される予定であり、その成果にも注目が集まる。台湾が再び世界の半導体業界の中心になる日も近いかもしれない。