テクノロジー
スマホ無音アプリ増加が問うシャッター音の存在意義
2024-10-27
著者: 海斗
社会人としての初めて迎えた誕生日に、オシャレなレストランで友人に誕生会を開いてもらった。美しく盛り付けられた料理の写真は、余すことなくSNSに投稿したい。
しかし、スマートフォンのシャッター音が静かな店内に響くのは気まずい。特に、他の客を気遣うとき、シャッター音が恥ずかしさを増す。日本ではカメラのシャッター音が法律で義務付けられているが、最近では音を消せるアプリが増加している。このトレンドは、我々のプライバシーをどう守るか、そしてシャッター音の存在意義について再考させる。
カメラ機能が進化した2000年代初頭の記憶を辿ると、当時の初代携帯電話「J-SH04」に着目される。シャッター音を発する初の携帯電話であり、この進化によって利用者は撮影の際に周囲への配慮を求められるようになった。同時に、シャッター音が無いアプリが登場することで、私たちが今まで当たり前だと思っていた文化が揺らいでいる事実も見逃せない。
新たに登場したアプリには、シャッター音を完全に消音するものや、ダミー音を再生するものまで多種多様で、これにより一部のユーザーは過激な行動に出ることも…。周囲の目を気にすることなく、自撮りや食事の風景を撮影できる時代が到来した。その一方で、シャッター音には「撮影している」という合図、そして同意のサインとしての役割も担っている。このように考えると、我々は今後どのようにカメラを利用し、他者との関係を保つべきか、重要な選択を迫られているのかもしれない。