スマートウォッチのバンドからも「永久の化学物質」が検出されてしまった
2025-01-17
著者: 愛子
近年、スマートウォッチやフィットネストラッカーが普及しており、それに伴い使用される素材や成分に対する関心が高まっていますが、驚くべきことに、これらのデバイスに含まれる素材から「永久の化学物質」として知られるPFAS(ペルフルオロアルキルおよびポリフルオロアルキル物質)が検出されてしまいました。
このPFASは、環境中に長く残留し、人間や動物にも蓄積されるため、健康への影響が懸念されています。アメリカのノートルダム大学の研究チームは、スマートウォッチの一部のバンドに含まれる化学物質を調査した結果、PFASの一種であるPFHxA(ペルフルオロヘキサン酸)が高濃度で検出されることを確認しました。具体的な数値としては、PFHxAの濃度が非常に高く、使用されるバンドの種類によっては、1000ppb(10の9乗あたりの貼付量)を超えることもあるとのことです。
この研究の主な目的は、スマートデバイスが私たちの健康にどのように影響しているかを理解することであり、さらに、PFASのリスクを低減するためには、消費者が成分表示をよく確認する必要があるとしています。特に、PFASが含まれる製品を好んで使用する場合、長期的な使用が健康に与える影響を無視できません。
また、この研究結果は、PFASに関する規制が世界中で進んでいる中で、消費者への注意喚起となるものです。EUではPFASの規制を強化しており、2050年までに全てのPFASを禁止することを目指していますが、日本国内でも同様の動きが見られます。特に、スマートデバイスに関する規制が整備されれば、今後の市場に大きな影響を及ぼすことが予想されます。
スマートウォッチが健康管理の役割を果たす一方で、私たちの知らないところで健康リスクをはらんでいる可能性があることを認識する必要があるでしょう。