【Suica接国】熊本県内バスに「不便」の声 全国交通系ICの決済廃止前後で「停車・降車時間」を比較すると…
2024-11-18
著者: 蒼太
全国交通系ICである「Suica」の利用ができなくなった熊本県内の路線バス。運行や利用者への影響を街で調査してみました。
熊本県内の路線バス業界は、厳しい経営状況や決済機器の更新費用が高いことから、11月16日から全国交通系ICの決済が廃止され、今後の「くまモンのICカード」が現金デビューすることになります。
この変更による影響は、大変懸念されています。この変更の前日の平日に、バスの停車時間を1人あたりの降車時間と比較しました。
【調査】
まずは変更前の11月8日、熊本市中心部の百貨店前で20台のバスを対象に停車時間を測定すると、多くの利用者がスムーズにバスを降りていました。
記者「1台あたりの停車時間は74秒。1人あたり7.6秒という結果になりました」※降車人数133人
その後、変更初日の11月18日。同じように20台を対象に停車時間を測定しました。すると……。
記者「1台あたりの停車時間は84秒。1人あたり8.4秒という結果になりました」※降車人数126人
変更前に比べると停車時間が1.4倍、1人あたりの降車時間も1.5倍になりました。
この原因としては、現金払いという新たな煩雑さや、待ち行列が発生することに起因しているようです。利用者から「運転手の様子を見ながら信号が赤になっている時にしかできないので、やっぱり現金は不便」との声も聞かれました。
バスの停車時間が長くなると、公共交通機関の信頼性や利便性が低下する恐れもあり、早急な対策が求められます。
また、熊本県内の路線バスと熊本電鉄の、Suicaをはじめとする全国交通系ICの導入が、来年(2025年)3月にもクレジットカード決済を導入します。
一方、熊本電鉄(路面電車)では既にクレジットカード決済の導入を進めており、全国交通系ICは2026年4月から利用できなくなる見込みです。これにより、さらなる混乱が懸念されています。
熊本県内の公共交通機関の運営が厳しい状況にある中で、利用者の利便性をどのように向上させるかが、今後の課題となるでしょう。