ソニーのスマートウオッチ「wena」が終了を迎えるのか その背景と後継機の可能性を考える
2024-12-16
著者: 葵
ソニーは11月28日、スマートウオッチ「wena 3」のシリーズのサポートおよびサービスを2026年2月28日に終了することを発表しました。修理受付が終了する他、wena 3アプリのサポートも終了。新規にダウンロードやインストールなどもできなくなります。また、OSアップデートなどのタイミングで利用できなくなる可能性もあります。
この発表を受けて、SNS上では「新手のソニータイマー」という意見も挙がりましたが、wena 3の修理・サポートが2026年2月に終了するというのは、実は2023年6月時点で告知済みのことでした。
wena 3シリーズは2023年7月に生産を完了しており、2023年6月30日には「wena3の修理・メンテナンスアプリのサポート期限は、生産完了(2023年7月)から3年間」を発表されています。今回はより詳細な情報が出てきたことで、話題が大きくなったと言えるでしょう。ただ、一般的には、生産完了から3年間サポートされれば十分に使用できるサポートがあるかと思います。
wena 3は、2020年11月に発表されたスマートウオッチです。これをスマートウオッチと呼ぶかは議論の余地があり、ソニー自身はスマートウオッチだとしています。wenaシリーズは、2015年に自社クラウドファンディング・ECサイト「First Flight」で「wena wrist」としてクラウドファンディングを開始したのが始まりです。2017年12月には、有機ELを搭載した第二世代モデル「wena wrist pro」「wena wrist active」を発表しています。そして2020年11月に第三世代モデルの「wena 3」が発表されました。1世代〜2年間で終了となることも多いこの手の製品ではあまり見られない長い製品でありました。
wena wristのプロジェクトが開始された2015年は、スマートウォッチの黎明期であり、Apple Watchが発売された年(発表自体は2014年)でもありますが、まだまだスマートウォッチの機能やデザインがとなっていました。このため、通常の時期にスマートウォッチ機能の強化を行うというコンセプトで、wena wristは誕生しました。
スマートウォッチとしての各種ヘルスケア機能を備えていたものの、これよりも一般の時期にFeliCaの決済機能(Suica対応は少し遅れましたが)を加えることで人権を保持していた気がします。
しかもなにより、競合となるスマートウォッチたちが進化していく中で、各種ヘルスケア機能を強化する他、各種ヘルスケアの測定精度の向上やスマートフォン連携の強化の他、見た目には普通の時期に見えるようになってきたことも、複雑な時期が続いていたのかもしれません。「wena」が将来出てくる中で、どのように言いわけされるかと期待されます。
前にも書きましたが、wena 3は生産終了から3年間の2026年2月にサポート終了となります。スマートウオッチ市場での競争が熾烈な中で、Apple WatchというよりもApple製品は、販売終了から5年間で品質製品として修理サポートが制限され、7年でオプション製品として完了となります。ちなみに、吸引時点でオプション製品に当たるApple Watchは、第一世代モデルのままとなっていいます。
さて、このサポート期間の長さと比べるとwenaの3年間が短く感じるかもしれません。とはいえ、GoogleのPixel Watchは、最長3年間のソフトウェアサポートが保証されていますが、昨今的には保守的に修理は不可能となります。SamsungのGalaxy Watchに関しても、2021年モデル(Galaxy Watch4)以降は4年間のソフトウェアサポートが保証されていますが、Galaxy Watch4 Classic(46mmは2025年までアプデ不可)に関しては、すでに修理受付が終了しています。
そう考えると2020年11月に発表されたwena 3が2026年2月までサポートされるのは、かなり手厚いといえるでしょう。とはいえ、他のスマートウオッチと比べると、やや傾向が異なるのは、wena 3がアプリの提供も終了してしまうことからで、つまりサポート終了後は新しいスマートウォッチで利用することができず、利用中のスマートフォンであっても初期化されるとwena 3が使えなくなる。
あくまで、サポートが終了するまでが一つの指標であって、ユーザーにとっての最終的な改善見込みがあるのか、もしくは他のスマートフォンに移行するかなどを検討した方がいいでしょう。
さらに、今後wenaシリーズが出るとしても、スマートウオッチとしての立ち位置について考えられる必要があります。この点考えた時には、具体的に何が変わるかが気になるところです。