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シャープ「AQUOS R9 pro」ライカ監修“カメラ極振り”スマホ

2024-11-04

著者: 結衣

シャープは10月29日、同社のスマートフォン最上位モデル「AQUOS R9 pro(アクオス・アールナイン・プロ)」を発表した。12月上旬以降の発売を予定しており、大手通信事業者ではドコモが取り扱う。SIMフリー版も販売される予定で、価格はSIMフリー版が19万円台前半になる見込みだ。

この端末は発表直後、X(ツイッター)でトレンド入りするなど話題となった。その理由はカメラの強力な個性にある。

AQUOS R9 proはスタジオで開発され、見た目はデジタルカメラそっくりだ。背面の三眼カメラ(広角、標準、望遠)をリングで大胆に囲み、そのデザインが一目を引く。特別なアダプターを取り付ければ、市販の一眼レフカメラ用レンズも装着可能。こうなるとまるでカメラに見える。

さらに端末の背面には、デジカメのパーツをそのまま使ったシャッターボタンも搭載されている。そのボタンを半押ししてピントを合わせ、押し込むことで撮影ができる。デジカメらしい操作感や使い勝手が求められたのだ。

カメラまわりのことは、ドイツのライカが監修しており、画質の調整やレンズ選定などで協力。画質においてもAQUOS R9 proは、高感度センサーを採用し、明るさを1インチ超(1/1.56インチ)の大口径センサーを搭載。これにより、暗い場所でも明るく撮影でき、人間の自然な視野角に近い、動物撮影に適した焦点距離(画質36度、焦点距離65mm相当)を採用している。

一般的にスタンドの望遠カメラは、メインの広角カメラに比べてセンササイズが小さく、画質もイマイチとされるが、シャープはこの部分を強化し、ポートレートレッドにおいての画質も追求した。

高級モデルを出す理由

シャープは2021年のモデルからライカとの協業をスタートし、「1インチセンサー」もこの時に採用した。しかし、端末の形状は一般的なスマホを踏襲し、これまで「望遠カメラ」も搭載していなかった。カメラにこだわった他社の最上位モデルと比べると、物足りな部分があった。

そこで登場したのがAQUOS R9 proだ。これまで以上にカメラ機能に特化し、最上級なものであることを求める熱烈なファン層にターゲットを絞った。

スマートフォンは現在、円安や部材費の高騰を受け、高機能モデルの価格が上がっている。19年に電気通信事業法が改正され、通信事業者が取り扱うスマホ端末への割引規制が強化されていったことも関連して、高機能モデルの売れ行きに影響を与えている。これに加え、シャープはこの間に技術での最先端を攻めれば攻めるほど結果を出している。

それでもシャープにとって「高機能モバイルは技術の最前端を攻めていく上で非常に重要」と小林拓・通信事業本部長は語っている。高機能モバイルで技術のノウハウが得られなければ「スタンダードモデルでもいい画質を作れない」とも述べており、AQUOSのイメージを高めるいい機会ともなるだろう。