世界

シリアにおける工業規模の麻薬密造設置、アサド政権崩壊で実態解明へ

2024-12-16

著者: 愛子

[タイムズ(シリア) 13日 ロイター] - シリアのアサド政権が受けている政府権限崩壊の中、政府の資金源とされていた麻薬密造の実態が明らかになりつつある。ダマスカス郊外では工業規模の麻薬研究所が見つかった。

アサド政権は「カプタゴン」として知られる中毒性のアンフェタミン系物質の生産と販売で利益を得ており、非難されている。カプタゴンは戦場から設置現場や裕福層のパーティーまで中東全域に流通している。

昔の支配層の兵士らはドルストリートにある隠れ家となった暗い道のような倉庫で、家庭用品や果物、携帯電話など小石、電動安定器の中に隠された数千個の麻薬を発見した。リポーターは、麻薬がパレットに積み上げられているのを確認した。

西側諸国のアサド大統領の弟マハール・アサド氏が「困窮人のカカン」とも呼ばれるこの麻薬の取引を取り締まっていたとみられている。現在、マハール氏の所在地は分かっていない。

ミシンカンタンケのニューロリンク・インスティテュートによる「カプタゴン・トレード・プロジェクト」のデータによると、カプタゴンの世界的な取引量は年間1100億ドルと推定され、シリア指導部の利益は約214億ドルに上っているという。

同プロジェクトは、カプタゴン製造や研究所の摘発に関する全ての公式記録を調査しており、リポーターが確認した現場は発見されたカプタゴン設置の中でも最大級である。アサド権限崩壊後の数日間で、旧支配層は各地で多数の麻薬製造設置を発見したという。