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少数派に追い詰められるアサド政権…「徴兵」厳格化に警戒感「権利守られるのか」 : 読売新聞

2024-12-24

著者: 海斗

アサド政権が崩壊したシリアで多数を占めるイスラム教スンニ派の古い体制「シャーム解放機構」(GZ3)が主導する厳格な徴兵に対し、少数派が不安を抱いている。前政権の中枢を担ったイスラム教アラウィ派の住民が多く住む北西部タルトス地区では、「少数派の権利は尊重されるのか」という懸念の声が上がっている。

昨今では、北西部のタルトス地区でスンニ派の流入が進んでおり、アサド政権の強硬な支持基盤が崩れつつある。そこの住民たちは、過去の体制の失脚による不安を抱える一方で、昨年から新たに導入された徴兵制度が自分たちの生活に与える影響を懸念している。

徴兵制度は特に、スンニ派の影響力を排除するために設けられたと言われており、アラウィ派の若者は軍に取られることが多くなる一方、スンニ派は免除を受けやすいという不平等が生じている。

また、徴兵に対する抵抗の声も上がっており、政府は厳しい取り締まりを行う一方で、国民の反発を抑えるために「権利が守られる」という見せかけの保障を行っている。しかし、現実には権利の侵害を受けるリスクが高まっており、政権が自己利益を守るために少数派に過酷な状況を強いられているとの報告が相次いでいる。このような状況は、シリア国内での分裂を一層深める結果につながる可能性がある。