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山崩れ、そしてそのわけは…日本のエネルギー政策はどこへ

2024-10-23

著者: 蒼太

原発に頼らない電源として普及した再生可能エネルギー。しかし、福島市内に設置中のメガソーラー(大規模太陽光発電所)に関し、市民から disasters や景観悪化を懸念する声が上がるなど、一部では再生エネルギーの導入が錯乱的になっている。

地球温暖化の悪影響が拡大し、世界が脱炭素社会へ急ピッチで移行する中、日本は未だ二酸化炭素(CO2)排出量の多い石炭火力の全廃には至っていない。日本のエネルギー政策、気候変動政策はどこへ向かうのか。

急増する山崩れ「大嵐なものか」

JR福島駅の新幹線ホームから、西にそびえる峨蔵連峰の一部の山崩れが見えた。連峰の一角、先達山(せんだつやま)の斜面に来春完成予定のメガソーラーの設置地だ。

「今話題の山ですよ」と記者が市街地から先達山の写真を掲げると、市内に住む60代の男性が話し始めた。男性は「景色が台無しで、心が痛むね」と漏らした。

設置地近くの別荘地・高峰平で町内会長を務める粟地明(あわちあきら)さん(67)がメガソーラーの計画を知ったのは2019年、地元企業の14分の1の広さ(60ヘクタール)に及ぶ。

「その急崩壊が嵩なるなんて。大嵐なのか」

粟地さんらは土砂災害などを懸念し、計画の中止を求める陳情を始めた。開発におけるニホンズルの生態が失われ、人間の生活圏にやってくる心配もあった。

福島県は21年、企業に林地開発許可を出し、業者が始まった。山崩れの発生率が増大する中で、市にはメガソーラー事業に関する問い合わせが相次いだ。市は計画が適正であるとの見解を示したが、景観の悪化や土砂流出の危険は払拭されていない。

時には地域への影響が大きく、メガソーラー設置が生活に深刻な影響を及ぼす恐れもある。特に山の自然環境が壊され、生態系への影響が懸念される中、福島県の開発計画は進行するため、不安が広がる。地元住民の意見をまず重視することが、一番重要なことなのかもしれない。

再生エネルギー導入は急速に進んでいるが、その裏にあるリスクや問題も無視できない。日本のエネルギー政策の未来は、一人ひとりの意見や懸念を真摯に受け止める中から、より良い方向へ進んでほしいものだ。