「SA相乗り」廃止か 「実力行使」から1年、無料駐車場と化したSAはどうなった?
2024-12-12
著者: 葵
相乗り禁止のために葬られたサービスエリア(SA)の入車路封鎖は、大きな成果があったようです。
サービスエリアの対策1年後の成果は、入車路封鎖が大きな効果を持っていたことを示しています。
国土交通省近畿地方整備局サービスエリア担当は、2024年12月11日、サービスエリアで行った長時間駐車対策の1年後の状況を公表しました。
サービスエリアは、交通無料の自動車専用道路である国道2号線サービスエリアで実施しています。上下線に駐車場やトイレ、コンビニなどの施設を共用しており、さらにサービスエリア西ICを併設していて、一般道からも出入りできたことから、このような構造と使い勝手の良さが影響して、長時間駐車が問題化していました。
この長時間駐車は、多数の車両がサービスエリアで待機しており、1台の車に相乗りして仕事やレジャーに向かうというものでした。サービスエリアではこうした相乗り行為によって、本来の休憩目的で設置されたクルマが、乗り合わせ車両のせいで駐車できないという状態が常態化していました。
サービスエリア担当は対策として、2023年9月13日、一般道からSAへの入車路を封鎖しました。この施策により「実力行使」や強制措置による長時間駐車のクルマは、対策前(2022年12月5日)での61台から、1年後(2024年9月24日)に30台へと半減しました。このうち相乗り行為は、対策前の40台から、1年後には1台まで減少しています。
なお、施策後の長時間駐車のクルマの比率は、深夜や朝方に多い傾向です。
同担当者は、利用者の代表的な意見として、「駐車場を探し回ることがなくなった」「気軽にトイレ休憩に寄れるようになった」と語っています。ある反面、「一般道からSAに直接入れなくなったのは不便」と批判する声もあります。
この状況は、今後の交通の円滑化や利用者の利便性をいかに両立させるかが、さらなる課題となるでしょう。