世界
ロシア、子供を持たない主義の宣伝禁止 会議が法案準備
2024-09-25
著者: 裕美
[10月14日 ロイター] - ロシアの上院議長は10月14日、インターネット、映画、広告、メディアなどで「子供を持たない主義」の宣伝を禁止する法案の準備を進めていることを明らかにした。この法案に違反した個人や企業には罰金が科せられる可能性がある。
プーチン大統領は、西側諸国との対立の中でロシアの「伝統的価値観」を強調する姿勢を示しており、女性による子供の人数が少ないことを懸念している。国は3人以上の子供を持つ家庭を支援する政策を実施しており、結婚率の低下や出生率の減少が社会問題として議論されている。
同国の最新の統計によれば、今月発表の公式データでは出生率が4半世紀ぶりの水準に低下している。ウクライナ戦争の終結が見えない中、死亡率も上昇している。
ブログやSNSでは「家族の良い構成は強い国家の基盤である」との意見が広がっている。
ロシア政府は、違反者に対して最大14万ルーブル(約20万円)の罰金を科す可能性があるとし、国の公務員に関しては80万ルーブル(約114万円)の罰金が科されることになる。
さらに、法案は2022年、LGBTQ+に関連する宣伝を禁止する法律を強化する形で進められ、ロシア国内での伝統的な家族観を守るための取り組みが進められている。
このような背景を受けて、ロシアにおける子供を持たないことのリスクが議論されており、多くのロシア人が法案に賛成しているとの調査結果も出ている。実際、法案が成立すれば、ロシアにおける価値観の強化と国の未来を形作る重要な一手とされる。