日本語を覚えづらい…実習生の質も低下 外国人材制度は厳しい実態から脱毛できるか
2024-11-16
著者: 裕美
外部人材の受け入れ制度は、30年以上続く技能実習制度で、劣悪な職場環境でも転職(転職)が原則認められず失踪が相次いでいる。政府は今月、転職を認める要件の明確化を図ったが、制度を取り巻く問題はこれだけではない。日本語を覚える意欲もない実習生、監督を避ける能力不全の監理団体。その影響は深刻で、2029年には技能実習に代わる新制度「育成収束」が始まるのを控え、実習生の受け入れ企業からは「本当に改善されるのか」と疑問視する声も上がっている。
「言葉を学ぶ意志がなく、やる気があるのかも分からない」と言う方も多い。広島市内で装飾会社を経営する技能実習生を受け入れている社長(斉藤さん)はこう嘆く。
斉藤さんが実習生を受け入れ始めたのは7年前。その時の面接で、「一生懸命やるのが伝わった」と言い、実習生は合計で8人を受け入れたが、徐々に「質」が落ちていると感じている。
生徒たちが強調するのは、時間が終わったら休み続けること。斉藤さんは「水という言葉も分からない。せめて簡単な日本語くらいできないと」語っている。
現在の技能実習制度では、多くの職種で入国時の日本語試験が必須ではない。新制度では来日前に最も初級の日本語能力試験「N5」の取得など一定の水準が求められるが、斉藤さんは「もう社員を日本人に戻すかもしれない」と強く語る。
実習生は転職が原則3年認められず、従事者から質を落とす失踪者が昨年、9753人と過去最多を記録した。2年前にフィリピンから来日し、実習生として働いていた男性(32)も「月の手取りは4万8千円。責任者からは『バカ』『悪人』と罵られ、耐えられない」と話す。
出入国在留管理庁は今月1日、技能実習制度の運用要領を見直し、転職の要件に暴行やパワハラ被害を明記したと公表した。しかし、受け入れ先を指導する役割を持つ監理団体も十分に機能していない。
斉藤さんは「もう3ヶ月に1回以上の実施が求められる監理団体に参加するも、月4万円も支払うと苦痛が大きい」と訴える。
実際、制度を監視する「外国人技能実習機構」による令和5年度の実地調査では、対象の4537団体のうち12352団体に監理・指導が不適切だった法令違反が見つかった。新制度では監理団体を「監理支援機関」として位置付け、中立性を高め、外国監視人の設定を設けると言っているが、受け入れ企業はこの程度で機能するのか懸念している。
3年後も始まる新制度は同じ業務分野で転職が認められるため、受け入れ企業が今後、外国人材の育成に十分なコストをかけなくなる懸念もある。斉藤さんは「新制度は問題が改善されるように見えて、われわれ受け入れ企業には無理がある」と語った。
新たな育成制度の導入に伴い、技能実習制度の運用体制に課題が残されている。現在、日本の受け入れ体制は国際的にも評価が厳しくなっており、特に技能実習生の人員や待遇を改善しない限り、長期的な解決は難しいのかもしれない。実習生から見た日本語習得の現状も重大な課題として根ざしていることを続けていかなければならない。