日本と西日本で過去最高の9月摂氏! 2010年以降最大の日数実現(気象予報士 武 良幸 2024年10月1日)

2024-10-01

9月の天候の特異性

気象庁は、2023年10月1日(月)に9月の天候について発表しました。

9月の天候の特異性は以下の通りです。

気温は、暖かい空気に覆われやすく、全国的にかなり高くなりました。月平均気温の偏差は、日本全体で+3.2℃、西日本で+3.4℃、沖縄・奄美で+1.1℃となり、1946年の統計開始以来、東日本と西日本では9月として1位、沖縄・奄美では2017年9月と並んで1位タイの高温となりました。また、地球温暖化などの長期的な気象変動の監視に用いる15地点の観測値により日本の月平均気温(*)の基準値からの偏差は+2.52℃となり、1898年以降の統計で、9月としては2023年に次いで2位の高温となりました。

(*)都市化による影響が比較的小さく、長期間の観測が行われている地点から、地域の偏りなく分布するように選定した15地点(網走、根室、八戸、山形、石狩、函館、米沢、静岡、長崎、熊本、福岡、名古屋、京都、大阪、神戸)での気象台等の観測を用いた統計。

降水量は多くなし

降水量は、日本国内では多くなりませんでした。北日本太平洋側、西日本日本海側、西日本太平洋側ではかなり少なくなりました。北日本日本海側、東日本太平洋側では少なく、沖縄・奄美では年間通じてでした。

日照時間は多く

日照時間は、高温圧に覆われた日が多く、北日本日本海側、西日本日本海側、西日本太平洋側ではかなり多く、西日本日本海側と西日本太平洋側では、それぞれ1946年の統計開始以来、9月としては最も多くなりました。

猛暑日地点数は9月として最多

全国の猛暑日を記録した地点数の9月の積算は1,452で、比較可能な2010年以降では9月として最も多くなりました。また、今年の猛暑日数は、これまでの記録を超える地点が多くなっています。静岡県223日(これまでで10日)、や高知県219日(これまでで9日)のように、今年までの最多日数より2倍以上多くなった所もあります。

また、福岡県太宰府市では62日と全国で過去最も多い猛暑日数を更新しました。(これまで群馬県桐生市の2023年46日)

異例の高温がもたらす影響

このように、2023年の9月は異例の高温に見舞われ、国内の気象の変化に深い影響を与えています。気温上昇は、農作物や生態系に影響を及ぼしており、特に農作物では収穫遅延や質の低下が懸念されています。これからの気候変動に対する対応が求められています。