全面EVへの道、トヨタがVWモデルに挑戦、搭載は5万人減:ニュース:中日BIZナビ
2025-01-01
著者: 雪
電気自動車(EV)の普及が進む中、トヨタの戦略
電気自動車(EV)の普及が進む中、トヨタ自動車が全面的にEV化を進めるための戦略を模索している。最新の試算では、トヨタの業態への影響が本紙の取材で明らかとなった。EV化を強力に推進する独フォルクスワーゲン(VW)をモデルとして試算を行い、実際のEV需要の確認結果をもとにトヨタの事業利益は2023年1〜12月の間、約4兆9千億円から2兆6千億円(41%)激減することが明らかになった。自動車関連の国内需要は5万3千人減ると予測されている。
EV化急ぐ世界の自動車大手
世界の自動車大手の多くが10年代後半からEV化を急いでおり、トヨタはハイブリッド車(HV)や燃料電池車(FCV)なども含めた多様な選択肢を採用する方針を採ってきた。しかし、試算ではこうした戦略は今後の生き残りにつながるかどうか疑問視されている。
VWとの比較
トヨタと生産規模が近い40社に対し、世界販売の全てをEVにする方法を推進したVWに比較し、調査会社や国のデータを使って今秋に試算を行った。その結果、日本の自動車とダイハツ工業を含むトヨタグループの生産台数は2023年の1137万台から45万台減少した。
EV販売に向けた目標
VWは25年にEV販売を全体の20%にする目標を掲げており、試算ではトヨタが同じ目標を達成するためには、19〜23年に毎年30万台分の生産や開発資源をEVに振り向けることを前提としている。23年時点で150万台以上のEVの生産能力を持つことが必要になるが、現在のEV普及の停滞を考慮すると100万台強では買われず、生産台数も減少する結果となる。
EV市場の課題と影響
また、電池などの原材料が高いEVは、売れたとしても1台当たりの利益がHVなどと比べて大きく減少し、事業利益が大幅に減少することになる。EV需要への影響は厳しさを示す波及効果の計算を使って算出されている。実際、生産台数の減少について、自動車関連の働き手は550万人から544万人に減少する。
急速なEV化とその影響
トヨタは2019年頃から独フォルクスワーゲン(VW)を筆頭に急速なEV化を進めている。23年の減益幅は衝撃的な数値となった。関連需要や税収も転帰減少。EV要望は欧州での補助金の打ち切りなど24年はさらに失速する見込みで、試算は年を経るごとに業態への打撃が持続していくと示唆している。
世界の競争とリストラ
現在、欧駆でVWが業績悪化から大規模なリストラを計画。米国でもフォード・モーターやテスラなどのいくつかの競合も逆風にさらされており、EVに向けた政策の見直しが必要とされている。