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「曲がる太陽電池」実証開始2025年度から、アイシンと中電ミライズなど:ニュース:中日BIZナビ

2025-01-21

著者: 陽斗

アイシンと中部電力ミライズ、関西電力の3社は2025年度から、曲がる太陽電池「ポルスカイト太陽電池(PSC)」の実証を始める。このプロジェクトは、愛知県と協力し、耐久性や費用などの課題を調査する。

PSCは、柔軟性や軽さを持つ新しいタイプの太陽電池で、現在普及しているシリコン製パネルよりも薄くて軽いため、設置が難しい建物の壁面や屋根に導入しやすい。また、エネルギー効率の面でも注目されており、従来の技術に比べて高い変換効率が期待されている。

具体的には、名古屋市内での基本計画とともに、40年に2千万人口都市(原発20基分相当)創出の開発目標に基づき、国が導入を後押ししている。

3社はPSC普及に向けた愛知県の支援対象に選ばれた。アイシンは電池を製造し、実証を進める。中部電力ミライズは導入余地のある建物や木材構造物などの面積を推計。関電はPSCで発電した電気を企業などに販売する事業を調査する。

愛知県内の太陽光発電の導入容量は23年度末に確定価格買取制度(FIT)の対象分で348万キロワット。県は30年度に460万キロワットに引き上げる目標を掲げている。これに対し、県内でPSCを設置できる可能性のある工場や物流施設、河川や港湾設計などのうち、1%にPSCを設置するだけで、発電出力は発電出力は約12万キロワットに上る。

発電量は1億4700万キロワット時(一般家庭約5万世帯分の年間使用電力量に相当)に達し、さらに66%の二酸化炭素削減効果があると試算されている。これは、持続可能な社会の実現に向けた大きな一歩となる可能性がある。

この革新的な技術の進展は、再生可能エネルギー市場全体に影響を与え、特に建物の設計や都市計画に新たな可能性をもたらすことが期待されている。さらに、地球温暖化対策としても、その効果は非常に重要である。