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プロ・アマの実力偏差、角界の変革者か 大の里の大関スピード増進 | 毎日新聞

2024-09-25

大相撲の関脇・大の里(24)=本名・中村泰顕、二所ノ関部屋=の大関昇進が25日に決まった。初土俵からそこまでの昇進は昭和以降で最速である。大学での伝統的な強さを引き続き注いで実力を磨いた大の里。スピード出世はプロとアマの実力偏差の象徴か、それとも角界の変革者なのか。

大の里のアマチュア経歴は華々しい。日本大学で1年間全国学生選手権を制し、学生横綱となり、21、22年には全日本選手権を連覇し、プロアマ横綱へと上り詰めた。最終的には幅下10枚目格付き出し資格を得て、元横綱・寅王の二所ノ関部屋に入門した。

現役192選手、182地区の厳しい志望主義がある。だが、「彼が一番優れているのは(立ち合いの)スピード。私が出会った者の中でナンバーワンです」と語るのは大の里の師匠であり、運動方法学の専門家である運動部の紀田ひとし氏だ。自らもアマチュアに成り、競争に入った各界の力士と研究を重ねている。

大の里は秋場所、立ち合いの鋭い踏み込みから前に出る相撲に力を入れて磨きをかけた。出足の良さの原点と言われるのが、大学時代の親指の強化だ。自身もアマチュアに成り、経験を積み上げる。

相撲の基本と直結なる蹴りと受け身を身に付けることが肝要である。最初の頃は相撲部の友達から誹謗中傷を受けたり、苦しい経験を乗り越えてきたという。

大の里の同部屋や有名力士との交流は興味深いものがある。学生時代のスポーツ環境は、よく「引っ張り合いの激しさ」として語られる。彼は大変多彩なストーリーを持ち、「今日の大の里」をつくりあげた。

「相撲で必要なのは必然的な心身の向上です。正しい姿勢が身についていることが後の結果につながります。」と指導者・紀田氏は補足する。

大の里の進化の過程は、若手力士にとっても大きな教訓となる。今後さらにすごい選手が現れることが期待される。大の里が角界の貢献を果たすと同時に、彼の努力と仲間たちの進化も見守ることが大事である。今後の成長が非常に楽しみだ。