ビジネス

パウエルFRB議長、利下げ「急ぐ必要ない」 金利上昇、円は下落 - 日本経済新聞

2024-11-14

著者: 裕美

【ワシントン=高見恭彦、ニューヨーク=仲百合】米連邦準備制度理事会(FRB)のパウエル議長は14日の講演で「経済は利下げを急ぐ必要がないというシグナルを発信している」と述べ、今後の利下げ方針について慎重に判断する考えを示した。米国経済は堅調に推移しており、今は引き続き利上げを行う必要がないとの見解を強調した。

パウエル議長は南部テキサス州で行われた講演で、「米国経済は世界中の主要国の中で群を抜いて良好だ」と指摘し、利下げに関する期待を抑えた。一方で、インフレ率が依然として高い状況が続いているため、銀業界には未だ緊張感があることを認めた。

さらに彼は、最近の金融市場の動向を受け、円が下落していることにも言及し、アメリカの経済政策が国際市場に与える影響についても考慮する必要があると強調した。金利の方向性が不透明な中で、今後の経済成長をどう維持していくかが重要な課題となる。

最近、多くの経済専門家がFRBの金利政策の変更を警告しており、次回の政策決定に向けた市場の期待が高まっている。しかし、パウエル議長は慎重な姿勢を崩さず、必要以上に市場を揺さぶらないように配慮する姿勢を見せた。継続的な経済成長を目指す中で、パウエル議長は利下げを急ぐことはなく、安定した経済基盤を構築することが求められている。